【書評を書きました】ヤマザキマリ先生「男性論 ECCE HOMO」 海外事情や恋愛論、欧州史に興味のある方は必読



    文藝春秋様より献本感謝感激大お礼であります。

    ワタクシが大ファンであるヤマザキマリ先生の抱腹絶倒エッセイ集です。ヤマザキ先生と言えば、大ヒット漫画「テルマエ・ロマエ」の作者さんとして有名ですが、先生の活字の本も漫画以上に面白く魅力的であります。

    さて、本書「男性論」という題名ですが、カバーされているのは男性論だけではなく、日本とイタリアの文化的比較、古代ローマとルネサンスの歴史、日本とイタリアの女性の比較と盛りだくさん。

    この内容で新書版760円というのはかなりお得です。海外事情や恋愛論、欧州史に興味のある方は必読です。

    ・ 今の働き方って他の国では当たり前なのかしら?
    ・ ゆるふわ愛され女子系じゃないアタシっておかしいのかしら?
    ・ 結婚してない俺って人生の落伍者なの?
    ・ 離婚したけど、なんで日本ではアタシは責められるのかしら?
    ・ 外国住んでみたいけどどんななのかな?
    ・ イタリア人ってなんであんなに喋るのがうまいのかな?
    ・ イタリア人って日本のことをどう思ってるんだろう?

    というアナタ様、ぜひお読み下さい。

    さて、まず、同書、第一章から爆笑というか、海外在住組は「ウンウン、あるよね」という、うなずき全開、日本に住んでいる方にとっては目から鱗が落ちる様なネタが満載です。

    先生の代表作の一つであり、ワタクシも大好きな「モーレツイタリア家族」「イタリア家族 風林火山」にも登場する、先生のご主人とそのご家族、さらに息子さんに関するエッセーでありますが、これが笑いを取りつつ、「夫婦のあり方」「家族のあり方」「労働観とは」「芸術とは」を含めた日本とイタリアの文化違いを鮮烈に描き出す比較文化論になっています。実体験が下敷きなだけに、その辺の学者さんが書いた物より数倍面白いです。

    ワタクシはイタリアのローマで4年間、濃ゆいイタリア人に囲まれて働いておりましたので「ああ、これはわかるわ」と3秒に一回ぐらいいいながら読んでしまったのでした。

    第1章には、ヤマザキ先生のご家族の言葉を基にしたこんな記述があります。

    「つまりみんな、人生にお金は必要だけれども、お金のために自分を犠牲にしてはもったいないと考えている。夫婦の時間や食卓を囲んだ語らいこそが、人生を楽しむことだと信じて疑っていません」

    「今の日本でしばしば問題となる『ブラック企業』というのでしょうか、労働者の時間を極限まで搾取し、安く使い捨てる仕事のありかたをきけば、そんなものに従事するほうがクレイジーだと、とんでもなく憤慨すると思います。」

    「人生のかたち、家族のかたちは千差万別。人の数だけバリエーションがある。固定観念や常識や規範といったもものにしばられすぎると、身動きが取れなくなります。」

    ワタクシも書籍やメルマガの方で再三「日本の働き方とか仕事に対する考えは独自なんじゃ」「おかしいのはお前らじゃ」「ガイジンは日本の会社なんか狂ってるといっとるんじゃ」「結婚しないのだって別におかしくも何ともないぞ」「夫婦別姓だって当たり前じゃ」という論を展開しており、様々な方面より「オマエの言っていることはおかしい」とか「社畜バカにすんな」「師ね」「貴様は日本国を破壊しようと考えているのか」と散々罵詈雑言を飛ばされておりますが、いいですか、みなさん、ヤマザキ先生のイタリアのご家族だってこういう考えなんですよ!

    ワタクシは間違っておりません。

    さらに、1章には芸術に関する、日本とイタリアの考え方の違いも明記されています。

    「文化や芸術に対する考え方お、まったく違います。彼らの理解に照らせば、文化とは、パトロンや上流階級に守られて発達していくもの。かつて音楽家や画家がそうだったように、サロンのような閉ざされた場で愛でられ、批評され、保護される物だといまも考えている。だから、日本の小説家が、文芸誌に作品を連載することで、原稿料という糧を得ることには疑問をもつようです。」

    「彼らからしてみたら、わたしの働き方など牛馬のごとし。文学者や漫画家が、ときに夜も徹して労働をすることに、びっくりしてしまうらしいのです。」

    日本では漫画家さんが働きすぎで病気になったり、週刊漫画雑誌なる恐ろしい物があるわけですが(そんなものはイタリアにもイギリスにもない)、いいですか、ゲージツを大事にする土地ではゲージツ家を大事にし、薄利多売はしないわけです。最近日本の漫画とか本とか雑誌がつまらんという声がありますが、それは日本の消費者が作家さんに薄利多売を強いているからかもしれません。

    第2章、3章、4章では男性論や変人論が語られますが、「テルマエ・ロマエ」が好きな方必読です。あの作品に登場するキャラの人物像はこの辺から来ているのかな、というのがわかります。ルネサンスや古代ローマ史のお勉強にもなります。

    第5章は「いい女とは何か」の日本とイタリアの比較文化論でありますが、これも大変面白い。「イタリアでもてる女性は男性と共犯者になれる女性であり、完璧な化粧を施しているが、自分の意見がなく、共犯者になれない女性は、本気で相手にしてもらえない」という部分、イタリア男を観察していたワタクシ、至極納得です。

    あの地では、お人形の様なアッパラパーなお姉ちゃんではなく、持てていたのはヒョウ柄のワンピースと毛皮を着こなして、たまには皮肉なこともいい、タバコを吹かしながら男を手玉にとるセクシーボムでした。

    こういう「大人の女性像」はイタリアだけではなく欧州全体で好まれる感じかも知れません。そう、酸いも甘いも知ってる大人ではないと相手にされないのです。

    第6章では、ヤマザキ先生版の「海外生活のススメ」であります。先生の波瀾万丈な海外生活記という感じですが、海外二一度住んでみたいなという方は必読です。

    その他先生のお勧め書籍



    イタリア大爆笑エッセー漫画です。「テルマエ・ロマエ」でヤマザキ先生を知った方は絵柄とノリの違いに驚かれるかもしれませんが、ワタクシはこっちが先生の本領ではないかと考えております。イタリアの姑さんがとにかく強烈です。うちの60代の親も大ファン。



    紀行物、バックパッカー物が大好きな方は必読の漫画です。ワタクシはキューバ編にしびれました!!




    こちら先生の比較文化エッセーと、リスボンでの日々&テルマエの楽屋落ちのお話でありますが、ここでも一番面白いのはイタリアの姑さんとのお話です。うん、強烈だw



    これはアジアで頑張る日本の女性に関する本です。お嬢さんがいる皆さん、さりげなく机の上においておきましょう。日本女性は強いですよ!海外に行くと永住してたり現地で就労許可とって働いているのは日本女性ばかりです。(実体験)日本男子、もっと頑張れ!



    こちらスティーブ・ジョブズ氏の電気の漫画家です。ヤマザキ先生の絵が美しいため、活字の本よりもスイスイと頭に入ります。さらに、ジョブズ氏の変人ぶりと孤独が大変良く描かれており、常人はこの人を目指すのは無理や、というのが良くわかります。ジョブズさんがイケメンです。ワタクシは電子版で買いました。



    皆さんおなじみの「テルマエ・ロマエ」です。ワタクシ全部紙で持っておりますが、Kindle版だと40%オフ428円と超お得です。ルシウスさんもかっこいいですが、ワタクシのお気に入りキャラは、銭湯などに登場する北島サブちゃんに似たお父様です。登場する日本の人々は心優しく、なんとなく懐かしい感じがするのも楽しいです。我々が気がつかなかった日本の良さを、古代ローマからやってきた銭湯技師を通して発見する。まさにディスカバージャパンな作品です。

    日本の銭湯やら温泉、伝統文化、ラムネ、牛乳便、そば屋の出前、整体、シャンプーハット、和気あいあいとした人間関係、町中のちょっとした工夫など、そういう些細なことが本当のクールジャパンなんですよね。



    なおお風呂で読めるバージョンと、魔除けも付き特装版ありますよw










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