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    【書評を書きました】西牟田靖 さん「〈日本國〉から来た日本人」外国にカジュアルな感覚で住んでみたい人と、大日本帝国のオドロキの実態を知りたい方は必読



    著者の 西牟田靖 さんより献本頂きました。ご本と一緒にテングサまで頂きました(大事に頂く予定です)

    さて同書籍、題名からすると「うわ、難しそうな歴史とか政治の本かな??」と思う方がいるかもしれませんが、それは大間違い。実際に日本の植民地だった朝鮮や満州に住んでいた方々にインタビューし、当時の生活や、日本帰国までの波瀾万丈な旅路、さらに戦後の日本についての貴重な証言集です。

    ところがどっこい、著者の西牟田さんは政治学者や歴史学者、もしくはお役所の方ではありません。元々アジアを中心に、アルバニアからエチオピア、韓国、サハリンなど、様々な土地を陸路やスーパーカブで回っていた旅人です。

    ですから、インタビューの姿勢は堅苦しくなく自然体です。また、元々様々な雑誌中心に活躍されている方なので、文章が大変読みやすい。

    歴史書を手にして「こりゃだめだ」とギブアップしてしまった方、普段自己啓発本ばっかり読んでる方、ぜひ読んでみて下さい。学校でも教科書以外にこういう本を読んだら勉強が面白くなるのになあと思うんですけどね。。。歴史の教科書ってなんであんなに味気ないんでしょう。

    さて、本書には驚きの事実がてんこ盛りです。

    まず、なんと1850年代から昭和20年まで、日本というのは移民輸出国だったという事実。なんと100年もの間、海外に移民を送り出していたんですね。移民の職業も様々で、潜水夫からサトウキビ農園の労働者、はたまた売春婦まで、ブラジルからなんとマダガスカル島にまで移民していたわけです。

    日本人は勤勉で真面目なので使用人としても大人気。そして、移民を送り出した理由は、文明開化以後爆発した人口と、仕事不足でありました。つまり、日本の景気がもっと悪化して、国内に仕事がなくなると、昔の様に日本は移民輸出国になる可能性もゼロというわけではないわけです。

    かといって、移民する人々が悲壮感満杯だったかというと、そんなことはなく「ちょっくら満州という所にいって稼いでくるわ」ともの凄くカジュアルに移民して行ったり、日本で商売をやっていた人が「朝鮮だと儲かるらしい」といきなり朝鮮半島に行って事業をやってしまうという、「カジュアル移民」が珍しくなかった様です。

    そういえばうちの父親も「僕は満州で馬賊になるのが夢だったんだ」とか言っていたんですが、親戚の方の話などを聞いていたのかもしれません。

    テレビもネットもない時代にいきなりこうやって行ってしまうというのは、今考えると「はあ??」なんですが、当時はどうもそれが珍しくなかった様です。しかし、ワタクシも自分の最新著書で欧州の人々が海外に移民するカジュアルさや、「グローバル人材になる人の動機は銭や」を書きましたが、戦前の日本というのも、どうも今の人とあまり変わらなかった様です。

    やはり人を動かすのは銭でありますね。



    植民地時代の日本人の暮らしぶりや、引き上げ時の情景も驚きの連続です。植民地では完璧に近い「日本町」があったとか、子供は割と気軽に現地の子供と遊んでいたり、当時植民地に住んでいた人が割と裕福でオシャレしていた、ソ連兵の鬼畜ぶりがハンパではない、堕胎手術は麻酔がなかった、逃げる途中で狂う人がいた、風呂に入らないと割と簡単に伝染病になる等々興味深いトリビア満載です。不潔と湿気というのに人間はもの凄く弱い様です。

    また、昭和35年ぐらいまでは日本では食料があまり豊富ではなく、生活がかなり苦しかったというのも驚きです。終戦から15年ぐらいはうんと苦しかったわけですね。昭和35年というと、1960年ですから、日本が豊かになったのは70年代半ばとすると、豊かな時期というのは、まだ40年もないというわけです。それは今の若い人と、今の60ー80代の人では、感覚や歴史観に大きな隔たりがあるのは当たり前ですね。

    本書に登場する元引揚者の方々の濃いキャラクターも魅力的です。団塊の世代ぐらいまでは日本にもこういう悪の強い人が沢山いた気がするんですけど、いつからいなくなってしまったのかな。

    西牟田さんの既刊「僕の見た大日本帝国」もお勧めです。一見愛国本の様な感じですが、実はこれ旅の本であります。「ええ!!こんな所に鳥居が!!」というVOW!的な楽しみ満載ですのでサブカル好きの方にお勧め。もう一冊の方の「誰も国境を知らない」は、最近近隣国と色々揉めている領土の、あっと驚くネタが満載です。


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