週刊めいろま Vol.52 イギリスのヘイトスピーチ規制(1)

    ■ 目次
    1. イギリスのヘイトスピーチ規制(1)
    2. 英語でポン!:公共秩序法
    3. Q&A「日本で生活保護を受ける人は欧州でも受けられるか?」

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    1. イギリスのヘイトスピーチ規制(1)

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    最近日本でもヘイトスピーチが注目を集めているので、これまで何度か取り上げてきましたが、今日のメルマガでは@bonniichan さんからの質問に答える形で、ヘイトスピーチの規制に関してもう少し詳しく書きたいと思います。

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    @bonniichan さんからの質問
    日本でもようやくヘイトスピーチ規制が地方から押し上げる形で進みそうですが、イギリスの事情はどうですか? 全国知事会が国にインターネットでのヘイトスピーチ対策づくりを要求
    http://matome.naver.jp/odai/2140725526768284101
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    欧州の殆どの国ではヘイトスピーチ(憎悪言論)が規制されています。カタカナで書くとその醜悪さがわかりにくくなりますので、この先は漢字で書きますが、憎悪言論とは、ある人の肌の色、人種、国籍、人種もしくは出身、宗教、性に対して嫌悪を表現したり、言論で攻撃することは禁止されています。

    イギリスでは憎悪言論に対する規制の厳しい国の一つです。その理由は、肌の色、人種、国籍、人種もしくは出身、宗教、性を元として、特定の人や団体に対して危害を加える犯罪が後を断たないからであるという現実の裏返しでもあります。憎悪言論はヘイトクライム(憎悪犯罪)の一部であります。

    2010年にイギリスで記録された憎悪犯罪は48,127件であり、そのうち、
    39,311件が人種によるもの、4,883 件が性によるもの、2,007件が宗教によるもの、1,569 件が障害によるもの、357 件がトランスジェンダーに対する物でした。
    (https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/97849/action-plan.pdf)

    2006年から2010年の間には69,000件が立件されています。検挙数は増えており、2006年には1万2千件あまりだったものが、2010年には1万4千件となっており、有罪率は、2006年の76.8% から2010年には82.8%に増加しています。
    (https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/97849/action-plan.pdf)

    この様な数字を見ると、イギリスの憎悪犯罪および憎悪言論対策に取って問題なのは、特に人種や肌の色を起因とする事件であることが良くわかると思います。

    イギリスは1950年代から1960年代に労働者不足のため、紡績業、重工業、公共交通機関などの働き手を、主に旧植民地から募集し、主に、カリブ海、南アジアから沢山の移民がやってきました。また、元々植民地を持っていたことから、紛争や災害で国を追い出された難民を多数受け入れてきました。

    イギリスは1960年代から急激に多人種が増加し、今やロンドンの人口の半分は外国生まれという多国籍社会となっています。しかし、急激に外国人が増えたため、異なる人種や宗教同士の衝突も少なくないわけです。

    1980年代に入ると、不景気もあり、イギリスでは宗教原理主義者や急進的な右翼により、人種的少数派が襲撃されたり、殺される事件が発生します。具体的な事件に関しては次回のメルマガでご紹介しますが、その様な事件は、少数派を殴打したり刺殺するなどの凄惨なものでした。元々は急進的な右翼団体は憎悪表現を発信し、購読者数を増やしたいメディアはそのような動きに便乗して、憎悪表現的な記事を数多く掲載しました。その様な動きに煽動された人々が、本当に犯罪に手を染めてしまったわけです。

    その様な事件の増加を受け、イギリス政府はこれまで何回かに渡って、憎悪犯罪や憎悪言論を規制する法律を整備してきました。人種間の対立や少数派への憎悪は社会を不安定にし、産業や社会生活に大きな影響を及ぼすからです。

    何度も改訂を繰り返したり、新たな法律を作成してきたため、イギリスでは憎悪言論の規制は複数の法律により実施されています。

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