【書評】「ふしぎな君が代」日本の近代のあり方を知るための貴重な一冊。



    著者の辻田真佐憲さんより献本いただきました。家の都合などが有りなかなか本を読むまとまった時間が読めず、書評を書くのが遅くなってしまい誠に申し訳ないです(涙)

    さて私は辻田さんが「世界軍歌全集」を出された頃からの大ファンなわけですが、本作も、膨大な知識と資料を使用し、丹念に書かれた素晴らしい本です。しかし新書としてコンパクトに纏まっており、日本語も大変読みやすい。辻田さんはまだ2若い研究者ですが、これだけの書籍をかけるという力量は素晴らしいと思います。

    本書では「君が代」の紀元、国家になるまでの道のり、各国の国家との対比などが丹念に描かれていきますが、驚くべき事実が満載で、雑学としても楽しめる一冊です。ネタバレになりますので一部のみ書きますが、例えば「君が代」が和歌として普及していたこと、最初は国民になかなか受け入れなれなかったこと、メロディには複数のバージョンが合ったこと、普及には大変な努力を要したなど、意外な背景が明かされていきます。

    今まで漠然と歌っていた「君が代」にこんな紆余曲折の歴史があったとは。「君が代」さんが大変な苦労人であるということがわかり、なんだか情が湧いてきました。

    国歌について学ぶと、人はなぜ歌を必要とするのか、なぜ国歌が国のシンボルとなるのか、なぜ欧州諸国の国歌は血みどろなのかということを考えざる得ません。しかし、一方で面白いのは、欧州諸国は民の集合のシンボルとして国歌が必要だったのに対し、日本には自然発生的に国歌というものがなかったことです。文明開化を経て日本では国歌、軍歌、社歌、校歌というものが一気に普及しましたが、「なぜなかったか」ということに関しては、文化人類学的な考察ができるかもしれません。

    ところで、イギリスでは、国歌を歌えない人がかなりおり、先日ゴールデンタイムに放送していたBBCの番組では、街角の人に国歌を歌ってくださいと頼んで「あれ、なんだけっけ?」となる場面が放送されました。

    学校でも校歌を歌う機会がなく、起立、礼、旗に敬礼なんてありませんので、ここでは、国歌を歌うかどうか、規律したかどうか自体が問題になりません。しかし、イギリスという国は落ちぶれつつも、なんとか生き延びているので、国歌がなければ大問題というわけでもなさそうです。ちなみに、自分の贔屓のサッカーチームの応援歌は完璧に歌える人が多いです。

    以下もおすすめです。



    日本の書店で発見し速攻で買い求めた本です。ソ連、北朝鮮の軍歌のマニアックな歌詞がたまらなくいいです。



    一般公募で集まった軍歌の歌詞に心が踊ります。メッタクソな歌詞なのですが、プロより一般民の作詞のほうが過激だったようです。ちなみに軍歌はレコード会社がバンバンだしていたので、別に軍からの押し付けではなかったというのも驚きです。

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