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    【書評】犬吠埼一介さん「蛮勇は世界を巡る」「割られよ、凍てついた王冠よ」個人で作る電子書籍でここまでできる

    刺激的なツイートをしておられる犬吠埼一介さん(Twitter @inbosk)から、「蛮勇は世界を巡る」「割られよ、凍てついた王冠よ」の二冊を電子献本頂きました。まことにありがとうございます!



    犬吠埼さんは電子書籍で作品を発表されている作家さんで、電子書籍普及委員会という活動にも取り組んでおられます。

    両作品は、犬吠埼ナイン構想という九作品の中編小説からなるシリーズの章作品で、SFエンタメ小説です。とはいっても、ゴリゴリのSF小説ではなく、ラノベ風味なところもあり RPG好きなら大喜びな世界観です。綺麗かつ読みやすい文体(Twitterとはかなり違いますねw)、ひねりはないが安定した展開ということもあり、通勤途中や夜寝る前の読書に最適です。(しかし書店においてある本と同等の品質のものが200円とは。いいんでしょうか。)

    シリーズのテーマは「思いの力で、世界を変えて、幸せになろう」です。

    シリーズ全体が過去から未来へ移動するという時間軸をまたいだ構成になっています。作品ごとに「1%が富の大半を支配する社会」等実社会の問題を反映しているところもポイントであり、実社会の問題を思い浮かべながら読むとより楽しめるでしょう。

    さて作品の内容に関してはネタバレになってしまいますので、お読みいただくことして、私が今回強調したいのは、両作品は個人が作成したデジタルファーストの電子書籍だということです。

    まず驚くのが電子書籍としての完成度の高さです。

    今回はMacbook Airに入っているiBooks、Kindle、iPad用のKindleアプリ、iPhone用のKindleアプリで読んでみました。レイアウトがよく考えられているので目が疲れません。電子書籍によってはiPhoneで読むとかなり辛いことがありますが、両作品に関しては全く問題がありません。

    フォントも電子書籍用に考えられたものが使われており、紙の本を単に電子化しただけの本とはかなり違います。動作も軽快で、ストレスフリーです。AozoraEpub3 - 青空文庫ePub3変換を使って作成されたとのことですが、個人でもここまで作れるというのはスゴイ時代になりました。

    表紙や作品中の芳村拓哉さんのイラストも美しく、書店で販売されているラノベや小説となんらかわりがありません。

    私は日本語と英語の電子書籍を相当買っている方だと思いますが、紙を電子化しただけの本や雑誌の読みにくいこと!ひどいものだとレイアウトがずれてしまっていたり、ページを捲ることができないことがあります。

    特にひどいのは雑誌や専門資料で、紙用のレイアウトをそのまま転用しただけ、アプリで開けるとページが縮小状態、字が小さすぎて読めないなどひどいものも少なくありません。大手出版社から出ているものでも作りの荒いものがかなりあります。

    その次に驚かされるのは、朗読版もあることです。声優の芦屋もこ。さんが朗読されているので本格的です。出版社からでる書籍で朗読版もあるものというのは大変少ないわけですが、個人作成ならこういう風に朗読版をつけることも可能です。一部は活字、一部は音声、作者からのメッセージを付けるなどといったフレキシブルな形態にすることも可能でしょう。

    今回の両作品のように、個人作成の電子書籍は、著者自身が手間暇をかけていることや、デジタルファーストで出すことを想定しているため、出版社経由で出す電子書籍よりも、数段レベルが高く、自由度も高いのが魅力的です。

    例えるとするならば、前者は青空市で売っている「山田村のトメさんの作った柚子味噌」、後者はスーパーで売っている白菜漬けのようなものです。

    個人作成でロットが小さいならば、大組織でやる場合にくらべ間接費がかかりませんので品質に注力することが可能です。物理的なモノの場合は配布や輸送、保存にコストが掛かり、販路も限られますが、デジタルな場合はそれが関係ありません。日本の同人誌界隈は紙で面白い作品が出回っていますが、しかしながら、英語圏に比べると電子で流通しているものが少ないのが残念です

    今後は犬吠埼さんのように、著者が編集者、校正者、イラストレーター、声優さんなどを使って出版していく、という形態が増えていくでしょう。ニッチな読者向けにコンテンツを提供していけばそれだけで生活できるという人も出てくるはずです。英語圏ではすでにそういう著者が出てきています。また電子書籍で個人出版する著者向けのサービスを提供する各種サービスが増えています。マーケティングや版権のアドバイスなど、売り方やリーガル方面のサービスがあるのが面白いです。(日本ではまだ見かけないですね) AirBnbの大家さんサポートサービスのような感じです。日本でも増えていくでしょうね。

    自分でも何か書いてみたいなと思っている方、自分の写真や漫画を電子や紙にして売ってみたい方は、犬吠埼さんの作品を読んでみることをおすすめします。
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